仕事の記録

大手総合商社→旅館経営→ITベンチャー人事部という一風変わったキャリアを歩んできた者によるブログです。

自己分析は重要なのか?

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「自己分析は就活において重要なのか」

という問いは未だに解に窮する。

ここで解を出すことは出来ないが、あくまで「私見」という形で記録しておきたい。

 

人事という仕事を1年ちょっとやらせてもらう中での学びを

読者が5分ほどで得られるのであれば幸いである。

 

掲題の答えは「重要である」としたい。

下記に期待できる効果を挙げるので正しくは

「その効果を欲する人にとっては重要」となる。

 

また、自己分析は少し冷たいイメージを自分自身が持つため

以下はあえて「自己理解」というように形容させてもらいたい。

 

期待できる効果

①自分にフィットする会社の仮説が立てられる

②面接や面談で自分の事をしっかりと伝えられるようになる

③「選んだ道を正解にする」という活力となる

 

必要なリソース

初回に約3時間ほど

アップデートに1時間ほど(頻度は四半期に一度ぐらいでいい)

 

期待できる効果の詳細

①自分にフィットする会社の仮説が立てられる

 国内企業だけで400万社が存在する

 

 余談だが

 2018119日には国内の法人企業が検索できる

 データベースがついに公開になった

 http://hojin-info.go.jp

 

 有限時間内での就職活動において当然のごとく

 すべての企業を知ることは難しいので、仮説を立てる必要がある。

 

 その中で、企業分析は対象が複数かつ調べることが難しい中で

 自己分析は比較的着手がしやすく、効果も大きい

 

②面接や面談で自分のことをしっかりと伝えられるようになる

 何かしらを売り込む営業活動に似たものを経験した人は伝わるかもしれないが

 売り込む対象を十分に理解していないと相手には伝わらない

 

 面接や面談の場は自分自身を売り込まなければならない。

 となれば当然理解も進んでいる方が有利である。

 

 副次的な効果として、自己理解を進めているかどうかは

 一つのことをどれだけ深く考え抜けるかという

 思考の深さや思考体力をアピールすることができる。

 面接をしていて印象に残る方は一段階違う。

 

③「選んだ道を正解にする」という活力になる

 仕事において、「この仕事は向いている!」と思うことは

 そうでない人に比べて大きな推進力を持つ

 

 「この仕事、自分に向いてるのかな?」という抽象的な問いに

 脳の働きを使うよりも、「この仕事、どのように成功させようかな?」に

 使ったほうが有意義である。

 

 自分のことを理解しきった!という状態を自己認知することは難しいが

 「あれだけ自分に向き合ったのだから」という心の支えは

 仕事をする上で想像以上に重要である。

 

自己理解の根本思想

ここまで書いておいて本記事は具体的なHow toには触れない。

根本思想を伝えることのほうが大事だと思うからだ。

 

根本思想① 事実と所感(解釈)を分けるとフィルターが見えてくる

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人は時間の経過に伴って様々な事実を目にする

事実は一意に定まるが所感(解釈)は人によって異なる

そのため、議事録でも事実と所感が混ざったものは非常に読みづらい

 

共通のテーマとして恋愛を例に挙げたい。

好きな人に「恋人はいる?」という意図の質問をし

「いる」という旨の返答があったとしよう。

 

事実「好きな人に恋人がいる」に対して

どのような所感を持つだろうか。

 

所感①今がタイミングではない。再度、アタックしてみよう。

所感②全世界の人ではなく、その恋人にさえ勝てば相手を口説き落とせる。

 

極端だが2つの所感を書いてみた。

この事実と所感の間に介在するのを「価値観フィルター」としよう。

そこには生まれてから今に至るまでにそのように解釈する価値観フィルターが

形成されている。

 

価値観フィルターの形成時期は

時系列的にその事実の前に形成されている。

 

どう考察するかは周辺状況によるがあくまで例題なので軽く触れると

所感①は堅実派で自分に自信がない可能性がある

所感②はポジティブで自信家だがやや利己的面が垣間見える

 

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恋愛観において、もしも所感①だった人が所感②に変わったのであれば

その元となった事実と事実の間に何かしらの価値観を形成する出来事があるはずだ。

これを見つけるといい。

 

根本思想② 価値観は後天的に形成されている

生まれた瞬間にポジティブな性格かネガティブな性格かが

形成されているとは考え辛い(脳の発達から考えると)

 

遺伝的なものは「資質」として区切られたものに大きな影響を及ぼすが

その資質というハードの上にあるソフトは外的なもので出来上がる。

 

ここから言えるのは、生まれてからの外的な刺激を時系列に並べて行けば

価値観フィルターの形成要因は何かという仮説が立つ。

 

書籍紹介

自己理解を進める上で、隠れたバイアスがある

それは「自分に都合のいい問いを無意識にしてしまう」ということである。

そのため、面接を受けるなどして想定外の問に出会うことも大事だが

この本にはその問がたくさん書かれてる。ぜひ利用してみて欲しい。

 

 

まとめ

期待できる効果を求める人はぜひ自己理解を進めましょう

根本思想① 事実と所感(解釈)を分けるとフィルターが見えてくる

根本思想② 価値観は後天的に形成されている

 

次回予告

自己理解の具体的な手法と

その手法を用いた具体例を紹介しようと思います。